脳はだまされやすい
レモンや梅干しを見ると口の中に唾液が出てきませんか?
実際に見ればもちろん、想像しただけでも唾液が出てきますよね。
これは脳が「レモンが目の前にある。今から食べるんだな」という時と同じ反応をするからです。
つまり、実際にはないのに、脳がだまされているわけです。
実は口ぐせ理論がとても有効な理由の一つに、この「だまされやすい」という脳の性質があります。
悲しい、悔しいのはなぜ?
たとえば、人から心にもないことを言われたら「悔しい」と思い、身近な人が亡くなったら「悲しい」と思います。
そこまでは自然な反応です。これを何も感じないようにする必要はありません。
ただし、その先、どんなふうに自分の気持ちを持って行くかは必ずしも自然な反応ではないのです。
一つ嫌なことがあると、別の嫌なことも連想されたりしませんか?
「あのときもこうだった、あのときもこうだった、なんで私ばっかりこんな目に遭うんだろう?」
「あの人ったらいつも私にばかりこういうことを言って、なんて陰険な人なのかしら!!」
「あ~また断られた。俺はやっぱり才能がないんだ」
「もう、いつもいつもこんなことの繰り返しで嫌になっちゃう」
「毎日つまんないなあ」
と、一つの嫌なことのあと、こういった展開になっていないでしょうか?
これはもう、その場のできごとに対してだけ悔しかったり悲しかったりしているのはありません。
実は、脳はその時におこった事実だけでなく、それに対してあなたが口にした(または考えた)言葉をもとに新たなイメージを作っています。そこからさらに感情が生まれていくのです。
ですから、嫌なことが次々と過去の嫌なことを思い出させる負のスパイラルにはまった場合、実際にそこで起こったことからだけよりも、はるかに大きな負の感情がそのスパイラルから生み出されるのです。
先ほど言ったように、脳はだまされやすいのです。
脳は、あなたが展開させたストーリーに事実と同じように反応して憤りや悲しい気持ちをさらに盛り上げてくれます。
何か起こる度にこの不幸なストーリー展開を繰り広げ、負のスパイラル感情を盛り上げるくせがついているとしたら・・・
人生の中で、「不幸な感情」を味わっている時間が恐ろしく長くなる、と思いませんか?
良い口ぐせを言うようにすると・・・
口ぐせ理論ではこのことを理解して、これと反対のことをするのです。
つまり、負のスパイラルを正のスパイラルに変えていきます。
負のスパイラルが「不幸な感情」を呼び起こすなら、正のスパイラルは「幸せな感情」を呼び起こします。
その「幸せ感」を呼び起こすきっかけになるのが「良い口ぐせ」なのです。
良い口ぐせによる幸せ感の正のスパイラルが増えると同時に、あなたのなかに引き起こされる「不幸感」は加速度的に減っていきます。
これはぜひ体験してみてください。
あなたの日々の生活の中で「幸せな感情」を味わえる時間が長くなっていったら、あなたの人生はどう変わるでしょうか?
それを、ただ口ぐせを変えるだけでできるとしたら、やってみる価値があることだと思いませんか?